「もしかして自分は同性愛者かもしれない?」——そんな疑問を抱いたことがある方は少なくありません。僕自身も40代になるまで、はっきりと自分のセクシュアリティについて考えたことはありませんでした。
異性との恋愛経験があっても、どこか満たされない。同性に対して特別な気持ちを抱くことがある。その違和感は、誰にも話せず胸の奥にしまい込んでいました。
実は、こうした悩みや疑問を持つ人は意外と多いのです。厚生労働省の調査では、日本人の約8〜10%がLGBTQ+に該当するとされ、決して珍しいものではありません。
この記事では、「自己診断」という形で自分のセクシュアリティを見つめ直すきっかけ をご紹介します。診断といっても、結果がすべてを決めるわけではありません。ただ、自分の感情や行動を振り返ることで、新しい気づきを得られることがあります。

なぜ自分のセクシュアリティを知ることが大切なのか
人は誰しも「自分らしく生きたい」と願います。そのためには、まず「自分を知る」ことが欠かせません。
特にセクシュアリティは、恋愛や人間関係、さらには自己肯定感に大きな影響を与える要素です。
・自分を理解することで、無理をして異性に合わせなくて済む
・本当に心地よい人間関係を築きやすくなる
・孤独感が和らぎ、安心して生きられる
僕自身も、自分が男性同性愛者だと受け入れたことで「ようやく自分を肯定できた」と感じました。
男性同性愛者の診断とは?簡単にできる自己チェックの意味
「診断」と聞くと、医師や専門家による確定的なものを想像するかもしれません。でも、ここで紹介するのは 自己理解を深めるための簡易チェックです。
目的は、自分の感情や経験を振り返ること。
結果に「正解」や「不正解」があるわけではありませんし、数値化して決めつけるものでもありません。
つまり、「あ、こういう傾向が自分にはあるんだな」と気づくためのツールなのです。
自己診断チェックリスト
以下の項目に「はい」「いいえ」で答えてみてください。すべて当てはまらなくても構いません。
1.恋愛映画やドラマで、男性同士の関係に特別な関心を持つことがある。
2.異性と付き合っても、どこか満たされない気持ちになることがあった。
3.同性の体や仕草に、思わず惹かれることがある。
4.思春期のころ、親友に特別な気持ちを抱いたことがある。
5.性的な空想に登場する相手が同性であることがある。
6.「普通は異性を好きになるものだ」と無理に思い込んだ経験がある。
7.異性との将来を想像すると、違和感を覚えることがある。
8.同性と一緒にいると、自然体でいられると感じる。
9.恋愛感情を持った相手が、振り返れば同性だったことがある。
10.自分のセクシュアリティについて、誰にも話せず悩んだことがある。
11.同性と親密な関係を築きたいと思うことがある。
12.セクシュアリティを理由に孤独を感じたことがある。
13.男性同性愛者の割合や現実について調べたことがある。
14.異性と比べて同性に安心感を覚えることが多い。
15.「自分は同性愛者かもしれない」と心のどこかで思ったことがある。
診断結果の目安
・10項目以上「はい」 → 同性愛者である可能性が高いと考えられます。
・5〜9項目「はい」 → どちらの要素も持っている可能性があります。
・4項目以下「はい」 → 異性愛の傾向が強いかもしれませんが、完全にそうとは限りません。
診断結果の解釈の仕方
ここで大切なのは、結果に縛られないこと です。
人のセクシュアリティは白黒では分けられません。たとえば、バイセクシュアルや流動的な指向を持つ人もいます。
自己診断はあくまで「自分を見つめるための鏡」。
「はい」が多かったからといって確定ではないし、「いいえ」が多くても同性に惹かれる可能性はあります。
同性愛者であることを理解する社会的背景:
現代日本では、LGBTQ+への理解が少しずつ広がっています。企業や自治体でも同性パートナーシップ制度が導入されるなど、環境は変化しつつあります。
しかし依然として偏見や無理解も残っています。そのため、自己理解は「周囲の声に左右されず、自分を大切にする」ための基盤になります。
僕もカミングアウトしたとき、理解してくれる友人がいる一方で、距離を置く人もいました。でも、自分を認めているからこそ、その反応に振り回されずにいられたのです。