40代になって気づいた自分のセクシュアリティ|男性同性愛者としての告白

「自分は同性愛者かもしれない」——40代を迎えたある日、僕はようやくその思いを言葉にすることができました。若い頃から心の奥底にあった違和感。それを認めることが怖くて、ずっと見ないふりをしてきました。

でも、人生の折り返しに差しかかった今、自分を偽ったままではこれからの時間を大切にできないと気づいたのです。この記事では、僕自身の体験を交えながら「男性同性愛者であることを受け入れる過程」についてお話しします。もしあなたも同じような疑問や葛藤を抱えているなら、少しでも共感や安心につながれば嬉しいです。

「同性愛者」とは?男性の場合の意味

「同性愛者」とは、文字通り同性に恋愛感情や性的関心を抱く人を指します。近年では「LGBTQ+」という言葉が広がり、社会的な認識は少しずつ変わってきました。

ただ、男性同性愛者の場合は特に、恋愛や感情よりも「性的な側面」ばかり強調されがちです。映画やドラマでも、ステレオタイプなイメージが描かれることが多く、「普通の人間関係や恋愛」として理解されにくいこともあります。

僕自身も、若い頃は「同性愛者=特殊で、自分とは違う世界の人」と思い込んでいました。けれど、心のどこかで男性に特別な感情を抱く自分がいる。その矛盾を抱えたまま、大人になってしまったのです。

自分を知る上で「同性愛者」を理解する大切さ

自己理解の大切さは、年齢を重ねるほど強く感じます。40代になり、仕事や家庭のあり方が固定されていく中で、「本当の自分を押し殺して生きてきたのではないか」と疑問が浮かびました。

異性と付き合ってみたこともありましたが、どこかで「しっくりこない」感覚が消えませんでした。その理由を探る中で、「ああ、僕は男性に惹かれるんだ」と認めるしかなくなったのです。

自分のセクシュアリティを理解することは、自分の人生を正直に生きるための第一歩。たとえ答えを出すのに時間がかかっても、知ろうとすること自体に意味があるのだと思います。

男性同性愛者の現実

数字として見ると、自分だけではないことがわかります。厚生労働省の調査によると、日本人の約8〜10%がLGBTQ+に該当するとされています。アメリカCDCの調査では、成人男性の約4%が「同性愛者」と回答しています。

とはいえ、現実にはまだ偏見や誤解も根強く残っています。「病気」「特殊」と見られることや、職場や家族にカミングアウトできず苦しんでいる人も多いのが事実です。

僕も若い頃、恋愛の話になると無理に異性の話をしていました。本当は違うのに「普通」に見せることで、自分を守ろうとしていたのです。けれど40代になり、「もう隠し続けなくてもいい」と思えるようになりました。これは年齢を重ねたからこそ得られた強さかもしれません。

自己理解と気づき

振り返ると、気づきには段階がありました。

・学生時代:親友に抱いた感情が「友情以上」なのか戸惑った
・社会人:同僚や友人と恋愛の話題になると、違和感を誤魔化した
・40代:一人で過ごす時間が増え、本当の気持ちを見つめざるを得なくなった

最終的に「認める」ことで、心がとても軽くなりました。隠す必要がなくなったことで、孤独感が和らぎ、「これからの人生は自分らしく生きていいんだ」と思えるようになったのです。

自分のセクシュアリティを考えるためのヒント

もしあなたが今、自分の気持ちに迷っているなら、いくつか問いを立ててみてください。

・恋愛感情を抱くのはどんな相手か?
・性的に惹かれるのは誰か?
・無理をして「普通」に合わせていないか?

これらは他人に答えを求めるものではなく、自分自身に向き合うためのヒントです。周囲と比べる必要はありません。大切なのは、自分の感覚を信じることだと思います。

周囲との関わり方や自己表現のヒント

「カミングアウトをすべきか」という問題に正解はありません。僕自身も、すべての人に打ち明けているわけではありません。伝えるかどうかは、その相手を信頼できるか、自分が安心できるかにかかっています。

自己表現の方法も人それぞれです。

・信頼できる友人にだけ話す
・匿名で参加できるオンラインコミュニティに触れてみる
・趣味や交流の場で自然体の自分を出す

ただし、どんな場面でも「無理をしない」ことを心がけています。カミングアウトは義務ではなく、自分の安全を守るためにコントロールしていいのです。

まとめ:理由よりも大切にしたいこと:

よく「なぜゲイになったの?」と聞かれることがあります。でも、本当は理由を探す必要はありません。生まれつきか、環境か、そんなことよりも「今ここに、自分という存在がある」ことの方がずっと大切です。

セクシュアリティは人生の一部であって、すべてを決めるものではありません。僕にとっては40代でようやく自分を認められたことが、大きな転機になりました。

もし今この記事を読んでいるあなたが悩んでいるのなら、伝えたいのは一つです。
「あなたは一人ではない」。
その事実が、これからを少しだけ生きやすくする力になると思います。

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